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リタイアしたら サンティアゴ巡礼 ¡¡ paso a paso !!
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リタイアしたら サンティアゴ巡礼 ¡¡ paso a paso !!

新しい肩書は「リタイアード」 37日目

Posted on 2018/10/182018/10/25

 なんて書けばいいのだろうか?と、一瞬、自問しました。
 サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着した朝は、大聖堂を横目にまずは巡礼者事務所へ向かいました。コンポステーラ(巡礼証明書)をいただくためでした。その日の午前中に、ここでコンポステーラを受け取った人は、正午から大聖堂で行われる巡礼者のためのミサでその出身国と出発地が読み上げられるのです。そのため朝から大勢のペルグリーノが事務所に詰めかけ、長い列ができていました。
 1時間半ほど待って、やっとわたしの順番が回ってきました。出発地のサンジャン・ピエ・ド・ポーから宿泊したアルベルゲや休憩したバル、町の教会などのスタンプが押されたクレデンシャル(巡礼証明書)を差し出しました。記入するように求められたノートには、出身国、名前、年齢、巡礼の目的などの項目が並んでました。そして「職業」も。
 わたしは60歳で新聞社を定年退職し、その後の6年は関連会社の役員をしていました。その後は職には就いていませんでした。日本人の感覚からすると、「無職」というのが、妥当なところなんでしょう。仮にわたしが新聞で取り上げられるような犯罪でも犯したら、わたしのいた新聞も「67歳の無職男」と表現したでしょう。
 で、その無職はどう書けばいいのかと、渡されたノートの前の方を見ると、「retired」という表記が何か所にもありました。ああ、これなんだと、ストーンと納得しました。わたしもはっきりと「retired」と書き込みました。
 リタイアード。強いて訳せば、「引退した人」とでもなるのでしょうか。いや、リタイアードでいいじゃないですか。少なくとも失業保険の給付対象となる自らの意思に反して職を失った無職ではありません。もう十分に勤め上げたうえでの「卒業」なんだという自己主張も含まれています。わたしの気持ちにぴったりとくる表現でした。
 サンティアゴ巡礼のゴールの日、わたしはこれから生きていくうえでの新しい肩書をいただいた思いでした。もっと思慮深い境地にでも達することができるのかと期待していた面もありましたが、実際のところはこれが、わたしの30数日の巡礼に対する贈り物だった気がします。




【2016/09/30】

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 セミナリオの同じアルベルゲに泊まっていたヒロコさんとコンポステーラ(巡礼証明書)をいただくために巡礼時事務所に行きました。8時40分に着いたのに、すでに長い行列ができていました。

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 1時間たって、やっとここまで進みました。

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 コンポステーラと到達(距離)証明書をいたきました。
 中庭の行列は、さらに長くなっていました。これでは、その日のミサに間に合あわなかったでしょう。

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 サン・ジャン・ピエ・ド・ポーをスタートして37日目。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の前に再び立つことができました。「もう一度、やってくるぞ。今度は800キロを歩いて」という3年前の誓いがかないました。

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 ヒロコさんのクレデンシャルは熊野古道との共通でした。ツーリストで姉妹巡礼路の踏破証明が発行されました。わたしも中辺路、小辺路を歩いていましたが、そんなクレデンシャルがあることは知りませんでした。

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 正午からの巡礼者のミサに加わりました。

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 この日のミサでは、期待したボタフメイロ(大香炉)は炊かれませんでした。

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 昼飯はヒロコさん、K氏と一緒に食べました。この唐辛子が絶品でした。

 思ったほどには辛くなけて、肉厚でうまでした。

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 イワシのフリッターも懐かしい味がしました。

 アサリのワイン蒸しにはニンニクははいっておらず、あっさりと味付けでした。

 カレー風味のアサリ蒸しでした。このスープにパンをひたすとたまりませんでした。

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 見飽きることがない大聖堂でした。

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 コリアンのカップル(女性は香港人)と出会いました。

 薄曇りの1日でした。夕方になって初めて沈む夕日が顔をのぞかせました。
 800キロをこの足で歩ききった達成感、満足感は、じっくりと間を置いて訪れました。

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 夕食は、ロンセスバリャス以来、よく顔をあわせたリタイア三人組とあきさんでつつきました。

 今夜もマテ貝でした。いくつ食べてもおいしいかったです。

 小さなイカのフライ。たこすみをつけていただきました。

 豆やベリー、チーズが載っていました。

 キノコとタマゴの炒め物。

 どんどん来ました。チーズのコロッケ。

 もちろん、お相手はリオハワイン。

 肉もたっぷり。ま、一人ではこんなに頼めませんでした。

 夜のミサが行われている大聖堂を再び訪れました。昼間は大行列ができて大にぎわいだった祭壇の聖ヤコブの後ろには、わたししかいませんでした。

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 巡礼の完遂を感謝して、聖ヤコブにゆっくりと、思いを込めて後ろから抱き付きました。

 広い背中です。キリスト教徒ではないわたしにも、分け隔てはありませんでした。

 ここまでやって来れたんだという思いがこみ上げて来ました。目頭が熱くなりました。

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 祭壇の地下には聖蹟が残されていました。

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 夕日を浴びる大聖堂です。いつまでも佇んでいましたた。

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