聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂を初めて見下ろすことができるモンテ・ド・ゴゾ(歓喜の丘)に向けて歩き始めました。ゆっくりと出発しました。ゆっくりと歩きました。サンティアゴ・デ・コンポステーラまでは、もう20キロちょっとしか残ってませんでした。
どうぞ、皆さん、お先に行ってください。わたしは、もう少し回り道、寄り道、わき見をして行きます。行き(死に)急ぐことはありませんでした。まだまだやりたいことはあります。
霧の向こうに巡礼路が延びていました。神々しい朝でした。進むのがもったいない思いでした。
最後となる朝食をとりました。カミーノに沿って広い庭が広がるバルです。顔なじみになったオランダ人のおっちゃん2人組もやってきました。思わず駆け寄って握手しました。「元気にここまでやってこれたね」と。
最後となる休憩をとりました。前回の巡礼で泊まったラバコージャのホテル前のバルでした。シードラ(アップルワイン)を頼みました。心地よく喉をすべってゆきました。
で、お前がカミーノを歩きたいと思った意味は見つかったのかい? 自問しましたが、頭の中は真っ白でした。何も答えはありませんでした。ここまでの長く苦しかった道のりを「行」として勤めたことはありませんでした。その報いでしょうか。せっかくここまで歩いてきたのに、悟りの境地に至るには、まだ入り口にも達していない思いでした。
¡¡paso a paso!! 一歩一歩進んでいると、やがてゴールはやってきました。
ラバコージャのバルからモンテ・ド・ゴソまでの道は、あっけないほど短かったです。わたしは再び、この丘に立っていました。
つのる思いが過去のものになりつつありました。はるかサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから800キロ近くを独りで、この自分の足で歩いて来ました。その事実の重みがあればもう十分でした。
【2016/09/29】
【07:44】
歩く距離はもうそれほど残っていませんでした。ペンシオンでゆっくりして出発しました。
あたりはまだ暗く、ヘッドランプをつけていました。
朝霧の中を進みました。神々しい朝でした。そんなに急がなくても、サンティアゴ・デ・コンポステーラはもうすぐです。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂までもう20kmを切っていました。ゆっくりと歩きました。
わたしの道でした。立ち止まり、わき見をし、みんなに追い越されるのを楽しみながら、残りわずかな時を過ごしました。
【08:30】
残りは16.504kmしかありませんでした。
【08:47】
最後の朝食をとりました。顔なじみのオランダ人のおっちゃん2人組も通り過ぎましたた。「元気にこれたね」と、駆け寄って握手しました。
【09:07】
ゴールを祝福してくれるような日の出でした。
「SANTIAGO」の文字が刻まれた石碑です。前回もここで写真を写しました。もうすぐでした。
ラバコージャの飛行場の横を抜けました。
帰途は、ここからLCCでバルセロナに飛びました。
【10:50】
最後の休憩でした。前回、宿泊したラバコージャのホテル前のバルでひと休み。シードラ(アップルワイン)を飲みました。
【12:09】
モンテ・ド・ゴソに立つローマ法王の記念碑が見えてきました。
【12:45】
ここまでやってきました。
モンテ・ド・ゴソ(歓喜の丘)までやって来ました。
初めて眼下にサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂を確認することができました。
丘の上に巡礼者の像が立ってました。
大聖堂の3本の尖塔がくっきりと見えました。
もう一度、この丘に立ちたいという、つのる思いがかなえられました。しかも、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから800キロも歩いて来ました。
【12:58】
最後の夜を過ごすつもりだったモンテ・ド・ゴソの400人収容のマンモス公営アルベルゲです。まだ開いておらず、ちょっと寂しそうなので通過してしまいました。
高速道路を渡ってサンティアゴの市街に入っりました。
大聖堂が近くなってきました。
【13:49】
カフェでひと休み。このまま大聖堂に向かうかどうか思案しました。
目の前に「セミナリオ・メノール」のアルベルゲを示す道標がありました。そうだ、今夜はここでお世話になろうと方向転換しました。
立派なセミナリオのアルベルゲでした。15€で個室に泊まることができました。
夕飯は、大聖堂近くのバル街まで行き、タパスを満喫しました。
Navajad(ナッハス)といいます。マテ貝です。あまり格好の良いものではないです。むしろグロテスク。そんなのに限ってうまいんですよね。
たっぷりのオリーブオイルで炒めて、ニンニクとパセリがかかっていましたす。レモンを絞っていただきました。ツルリとのどを滑りました。食感を楽しむ一品でした。
イワシかと頼んだ魚です。から揚げにして出てきました。バラバラな方向を向いていました。
子持ちのようでした。シシャモに似た味でした。
最初はすぐに出てくるハモン(生ハム)でした。すっかり好きになった赤ワインでスタートしました。
お代わりは白ワインでした。テースティングさせてくれました。
食べてみたい料理がズラリと並んでいました。
窓からのぞき込んだ店内です。
A Taberna do Bispoは、3年前にもやって来ました。