パンプローナは、かのヘミングウェイゆかりの地です。闘牛場の前に像がありました。有名なサン・フェルミン祭(牛追い祭)には、ヘミングウェイも赤いバンダナを巻くそうだ。
パンプローナの古い町を抜けると、ナバーラ大学のゆったりとしたキャンパスがありました。日曜日だったので学生の姿はなく静かでした。「本館で受付、押印をしております」と日本語表記もある看板が立っていました。
その本館に回り道して行ってみると、閉まった玄関わきの窓が開いて、「ここだよ」と声がかかりました。わたしはクレデンシャル(巡礼手帳)を差し出して、ホタテ貝をあしらったデザインのスタンプを押してもらいました。
巡礼者は、クレデンシャルをもって旅します。サンジャン・ピエ・デ・ポーから巡礼をスタートさせる人は、まず巡礼事務所にいってこのクレデンシャルを発行してもらいます。
わたしは日本から用意してきました。NPO法人日本カミーノ・サンティアゴ友の会が、素晴らしいデザインのクレデンシャルを発行してくれます。
クレデンシャルは本来、自分が住む教区の教会が巡礼者であることを身元保証する書類だったようです。これを持っていると、巡礼者として遇されてきました。いうなれば巡礼のパスポートです。現代のペルグリーノも、これをもっていないとアルベルゲという格安の宿泊施設を利用することができません。急病になったときも、ペルグリーノとして手厚い治療を受けることができるそうです。
もう一つの役目が、蛇腹式につづられているクレデンシャルのスタンプ欄です。ここに泊まったアルベルゲはもとより、食事をしたバルやレストラン、途中で参った教会などでスタンプを押してもらいます。このスタンプが増えていくのも巡礼の楽しみのひとつです。スタンプ・マニアの韓国のNくんは、わたしと同じルートを歩いたのに、最後にはわたしの3倍くらいのスタンプを集め、クレデンシャルは3冊に膨れていました。
巡礼では、聖地のサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着するとコンポステーラという巡礼証明書が発行されます。その条件は、聖地まで徒歩なら100キロ以上歩くことです。自転車なら200キロ以上です。その条件を満たしていることを証明するのも、クレデンシャルのスタンプです。
四国88カ所お遍路にも納経帳があります。札所に着くと、お参りした後に朱印をいただきます。同じシステムにびっくりさせられます。
ことしの正月。例年のように京都・上賀茂、下鴨神社に初詣しました。そこで気が付いたのは、朱印をもらうのがブームになってていることでした。参拝者が、これまでは気づかなかったあたりに長い行列をつくっていました。スタンプラリーというのは、世の東西を問わず、何かひきつけられるものがあるようです。
2冊のクレデンシャルです。右が今回の巡礼のために準備したもの。左は2013年の巡礼で使用したものです。東京カテドラル聖マリア教会の証明印が押されていますが、実際には日本で唯一公認されている「日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会」が発行してくれます。
【2016/08/28】
【07:27】
パンプローナ郊外のホテルをゆっくりと出発。ホテルのベッドでよく休めた。
サン・フェルミン祭(牛追い祭)とヘミングウェイで有名なパンプローナ。この日は、休養日に設定していたが、パンプローナを越えて軽く13.5kmほど歩く。
バスク独立運動の政治犯釈放を要求するポスター。これを見て「This isn’t Spain」の意味がやっと理解できた。「This is Basque」といいたかったのだ。
マグダレーナ橋を渡り、パンプローナの城郭へ。
高い城壁に囲まれていた。
城門には、堀にかかる橋を跳ね上げて閉じる装置が。
城郭内の旧市街。ごみが散乱している。
カスティージャ広場にも人影はなく、清掃車が掃除中。
広場のカフェで朝食。広場の対角線上に、ヘミングウェイが愛したカフェ、イルーニャがあるが、まだ開店していなかった。
清掃が終わった石畳はピカピカ。
サンタ・マリア教会は、まだ閉まっていた。
7月に行われるサン・フェルミン祭では、この市庁舎から牛追いが始まる。
市庁舎の前は巡礼路にあたっていて、通り過ぎる巡礼者が多い。
ヘミングウェイの胸像が建つヘミングウェー通り。
闘牛場は思ったよりこぢんまりとしてました。内部が見られずに残念。
【10:17】
巡礼路を歩き始めた。パンプローナ大学の構内にあった日本語の案内。
日曜日で大学は閉まっていたが、事務所横の窓から声がかかり、クレデンシャルにスタンプを押してくれた。
【11:07】
シスール・メノール着。ここのアルベルゲに泊まるつもりだったが、早すぎた。
シスール・メノールのメーンストリート。向こうがアルベルゲ。
【12:10】
一番乗りのアルベルゲ。広い中庭がある。
手前の平ベッドを確保。
【12:47】
バルで昼飯。パスタを頼む。トマトソースの簡単なものだが、なかなかおいしい。もちろんビールも。
【16:13】
教会がある高台へ上る。
【18:27】
夕飯はMENUのあるバルへ。
まずは赤ワインから。フルホトルででてくる。「白」を頼むと、「tintoだけよ」。よく冷えてます。赤も冷やすんだ。
ファーストは、サラダ、スパゲッティ、パエリアなどのセレクトからサラダです。
レタスにタマネギ、オリーブにツナがかぶってます。オリーブオイルがおいしく、パンも浸していただきました。
セカンドは、チキンカツ。カリッと揚がってますが、二枚は多いです。
デザートはプリン。もう満足です。
これで10€は、リーズナブルすぎます。
結局、休日とはならずに歩いてしまった。だが、この程度の距離ならお散歩のよう。