巡礼も3日目。規則正しいペースがつかめてきました。
カミーノの朝は早いです。前夜の就寝が早いのだから、目覚ましなんてなくても自然に目覚めます。6時前には、ベッドの上のシュラフから抜け出します。部屋は真っ暗です。ライトをつけるのははばかられるので、前夜のうちに用意して枕元に置いておいた袋を下げて洗面所へ。顔を洗い、歯を磨き、出発準備です。
わたしはここからがちょっとたいへんでした。数年前の山登りで歩けなくなった膝の痛みの再発を警戒して、スポーツタイツをはいてました。膝のあたりをギュッと締め付けてサポートしてくれます。暗闇の中で膝頭とタイツのラインをあわせて履くにはコツがいりました。
靴下は、マメができないように絹の五本指ソックスと毛糸の登山用ソックスの2枚重ねでした。四国のお遍路を歩いた知恵でした。
この五本指ソックスを履くのも、時間がかかりました。靴下を履く前に、指先にワセリンを塗りこんでおくのも、マメ防止の対策でした。おかげで、多くのペルグリーノ(巡礼者)を悩ますマメとは、ほとんど無縁でした。
この日は、朝食付きでした。でもそれは珍しく、いつもは何も食べずに6時から7時ごろにはアルベルゲを飛び出しました。まだ辺りは暗く、ヘッドランプの明かりが頼りでした。
1時間も歩いていると、明るい電灯がともっている店に出くわします。バルです。飛び込んで朝食となります。
カウンターにパン類や果物なんかが並んでます。わたしはきまってクロワッサンを指さし、「カフェ・コン・レチェ」と「スーモ(ジュース)」と頼みました。この3品をモーニングセットとしてメニューを掲げているバルもありました。5ユーロくらいです。
カフェ・コン・レチェは、ミルク入りコーヒーで、コーヒーマシーンで温かなミルクとともに注いでくれます。これに砂糖をたっぷりといれてすすります。
さて、きょうも歩くかとバルを後にすると、やがて背後の空が赤く染まり、大地の彼方からやっとお日さまが昇ってきます。
小さな村にも必ずとあるのがバルです。日本語のバー(BAR)は、アルコール類を提供する店ですが、こちらではもっと何でも屋さんです。朝はコーヒー、昼は軽いランチ、夜はメヌー(定食)を提供し、さすがに歩く前には飲みませんでしたが朝からビールやビーノ(ワイン)も出てきます。
どんな靴をはいていくかも悩みました。今回の靴は、トレッキング用のMERELLのミドルカット・シューズでした。
前回の巡礼では、もう少し堅い靴をはいてました。舗装路の連続で肉刺(まめ)ができた反省から、柔らかいのをと選びました。
靴には、オリジナルとは別に買ったロング・ウオーキング用の底が固いソールを入れてました。
充分に履き慣らしていたとはいえ、まだ新しい靴でした。それが巡礼から帰ってくると、防水のため内部に張られているゴアテックス(透湿性繊維)にほころびができていました。外観はきれいでしたが、雨の日には浸水するようになって買いなおしを余儀なくされました。靴は消耗品と実感しました。
【2016/08/27】
【06:28】
6時半からの朝食を待った。
このアルベルゲは朝食付き。私営で宿泊費は15€と、公営の5~6€と比べるとちょっと高い。そのためか、宿泊者には年配者が多い。
パンとコーヒー、ジュースをいただく。
ケーキや果物、ヨーグルト、シリアルもあって豪華版。
【06:53】
7時出発と、ちょっと遅め。
スビリの町を出発。この日の行程は、ピレネーを源流とするアルガ川に沿って、最初の都市であるパンプローナに向けて25kmhほど下った。
【08:20】
5.3km歩いてララソーニャ着。橋の向こうに町はあったが、カフェや商店までは遠く、すぐに引き返す。
【09:04】
川沿いの道を歩く。この女性2人組は、足が速くてすぐに追い抜かされるが、休憩が長い。
【09:30】
川を渡ってスリアインに入ったところのカフェで休憩。
搾りたての生オレンジジュースがうまい。オレンジを2~3個は使ってるので1杯2€以上。ビールよりも高い。
角の立派な羊(?)が道連れとなった。
川で犬とともに泳ぐ人も。
「This isn’t Spain」。最初はこの意味がわからなかった。
【11:33】
暑い峠道。反対側から登ってきたおっちゃんは両手に布バッグ。荷を降ろし、商売を初めた。わたしもセブンアップで喉を潤した。
【11:58】
パンプローナ郊外のラ・トリニダッド・デ・アレ。橋を渡ったところにアルベルゲがある。
ブルラーダまで来た。そろそろ今夜の宿を探す。
こぎれいなホテルがあり、飛び込んだ。
20キロほど歩いてパンプローナ郊外までやってきた。きょうはここまで。あすは休養日なので、早々にホテルにチェックインした。湯船のバスで体をほぐして、通りのにぎやかなバールへ。
独りでカンパイ! 歩行中はオレンジジュース、歩き終えるとこれがサイコーの楽しみ。午後はカフェでのんびりとくつろいだ。
【18:58】
郊外の住宅地で、レストランがない。仕方なくカフェに入ると、サッカー観戦の客で大にぎわいだった。